果実は旬のうちに

好きな人やものについての本音とか建前とか。

「愛好家におすすめしたいセクゾアルバム」という建前

こんにちは。かぼすと申します。

椎名林檎さん作詞・作編曲のSexyZoneニューシングル「本音と建前」のリリースが決定したので、セクラバで愛好家なことを生かして、ジャニーズファンでない人におすすめしたい曲を考えて以前記事にしたのですが、その延長で、もし「全然ジャニーズ知らないけど、アルバム一枚くらいセクゾ聴いてみようかな!」と思った人に、自分だったら何をおすすめするか考えていて、いわゆる”ベスト盤”と呼ばれている「SZ10TH」っておすすめできるのかなあ、とふと思いました。

確かに、10年間のシングルにリード2曲とファン・メンバーセレクト曲が入っていて聴きがいはありますし、以前書いたおすすめ曲記事の10曲中4曲が収録されています。ただ、ジャニーズ初心者・セクゾ初心者の1枚目かと問われたら、やや難解なアルバムなんじゃないかとも思ってしまうんですよね。

 

というのも、この盤は10周年ベストという位置付けのためデビュー当時の曲から入っていて、「SexyZone史」という側面を多分に含んでいるからです。彼らは全員10代どころかもうほとんど子供と言えるような年齢からデビューして、当然自分たちの裁量でどうこうできることは少なく、特に初期の曲は彼らがやりたいかどうかというよりも大人たちーーはっきりいうとジャニーさんのやりたいこと・表現したいことを優先して作られていると言って差し支えない作品がほとんど。ジャニーさんの世界観がかなり独特なので、なんの構えも予備知識もないままただ「ベスト盤」ということだけで聴いてすんなり消化できるかというと人を選ぶと思うんですよね。

誤解のないようにはっきり書いておくんですけど、これは初期曲や作品、世界観を否定したいわけではなくて、「ジャニーズ初心者向けではない」と言いたいんです。歴史の全てが今の彼らを構成していることは重々承知しているし、その頃から応援している古参セクラバには本当に感謝しています。つまり、セクゾ史とか世界観をある程度知ってからの方が、楽しんで聴けるのではないか、と思ってしまったわけです。この辺りの曲たちはむしろ今、他のグループがどんなに欲しくても手に入れることができないので、自分たちの曲として使えるのはSexyZoneの紛れもない強みだと思っています。去年のライブのLadyダイヤモンドの使い方はパーフェクトだったぞ天才かよ。

逆にSexyZone史を履修するのであればありかもしれないけど、それでもゼロ知識でファーストチョイスのアルバムにするにはやや高めの難易度だと思います。だってバィバィDuバィってどゆこと?ダジャレ?って思うでしょ?SexySummerに雪が降るって何?夏なの冬なの?てかSexySummerって何?って思うでしょ?そういうことです。

 

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と、思っていたのが8/22までの私。

上の文章の下書きは今MacBookのメモ帳アプリ見たら7/19に作っていたので、軽く誤字脱字だけ確認して文体だけ直してほとんどそのまま引っ張ってきました。このあと「ザ・ハイライト」(2022)の感想を書いて、おすすめ記事のおまけにしようかなーと思ってたんですが余計かなと思って丸々やめちゃったやつです。ちなみにおすすめ曲記事更新が8/17です更新するの遅すぎないですかね。

下書きからわざわざ引っ張り出してきたのは、歌詞見たらこれやっぱり「SZ10TH」を聴く必要あるなと思ったから。林檎さんすごい。

 

書いた通り、SexyZoneの『初期の曲は彼らがやりたいかどうかというよりも大人たち』の意向を『優先して作られている』ように見える作品が多い。

「初期」の定義については諸説あるとは思いますが、私の主観では具体的に5年目くらいまででしょうか。セクゾのデビュー当時、私はセクゾファンではありませんでした。でも、メインで応援しているいわゆる「担当グループ」じゃなくても先輩後輩がどんな感じなのかなんとなく知っている、というジャニーズファンの特殊性に漏れず、私もセクゾを知っていました。当時嵐担でTOKIO曲ファンでSMAPお茶の間ファンだった私はセクゾをこう思っていたんです。

”ジャニーさんに振り回されてトンチキな曲をやってる大変そうな子達のグループ”。

だいぶ失礼ですね。セクラバの方読んでたらすみません。でもこれが偽らざる本音です。当時だから許して。書いた通り、当時から知っている訳ではないどころかセクゾファンとしても新規の部類に入るので、知らないこともあるかもしれません。本当に大人たちの考えが常に優先されていたのかというとそうじゃないこともたくさんあるのかもしれない。でもその”大変そうな子達”のファンになった今、その印象は全くもって的外れというわけではないことも知っています。少なくとも3人での活動などは彼ら自身の希望ではないでしょう。

仮に、「過去、本人たちの希望通りではない作品や活動もやっていた」が本当だと仮定して「本音と建前」の歌詞を読んでみると、

「答はとうに持っていたんだ 心と体と脳がいま/連動してきた模様」「恥ずかしくも確信を以って 生きていると感じ/生きていきたいと思う」「大人ほど自然にしたいことしかしないようだ」「最高に満たされています 裏も表もないです」

このあたりに随分意味が出てくるとは思われませんか。例えば、「大人になった今は、自分たちのやりたいことも主張し実現できるようになった」というような意味が。「本音と建前」というタイトルにすら、何か隠されているように思いたくなります。

 

『これは初期曲や作品、世界観を否定したいわけではなくて、「ジャニーズ初心者向けではない」と言いたい』

などと上に書いていますが、本当にただ「独特だから初心者向けではない」と思っていたのか。きっとそうではありません。私自身が当時の楽曲について「大人たちに振り回されてた時代のトンチキ曲」のイメージから抜け出せていなかったのでしょう。どこかで「愛好家やジャニーズファンではない人たちに独特な初期曲を聴いてバカにされたくない」と思っていて、世界観が独特であることを言い訳にして「SZ10TH」に入っている初期曲から遠ざけようとしたのではないか、と今読み返すと思います。

でも、初期曲をスキップしてしまうと歌詞から先ほど書いたような意味を読み出すことができません。これは彼らの全てを認めた時にだけはじめて読むことのできる”行間”です。

私はあの歌詞に私の建前を暴かれました。

林檎さんすごい。歌詞を読んで自分の本音と建前(そして意識と無意識)に気付かされるなんて。こんな体験はじめて。すごい。セクラバで愛好家で本当に良かったと心から思いました。この曲はやはり”オタクの私”にとってひとつの大きな記念碑的な出来事なのでしょう。

でもやっぱ初期曲はジャニーズ初心者向けではないよ。準備なくいきなり聴いたらよくわからんとはなる。それはそうなるよ。だって意味がわからないことが面白い名曲ばかりだとは思うけど、ほんとによくわかんないもん。これは本音。

また反面で、ドラマタイアップもある中で本当にそこまでの意味があるのか、椎名林檎さんがセクゾに提供するということに盛り上がりすぎて色々意味付けしたくてそう考えてしまっているだけなのでは、と思う自分もいます。どうなんでしょう。フル尺も聴けてないしパフォーマンスも見れていないので、見たらまた考えが変わる事があるかもしれません。

私は曲の感想を書くにしてもきちんとした音楽的教養がある人には敵わないし、耳がいい訳でもないので感想を文章にするには何度も何度も聴かないと分からないことの方が多いです。セクゾファンとしても新規なので、知識が追いついていなくて浅慮な部分もあるのかもしれません。それでも私はこの曲を出来る限り全て受け取りたいと思っています。椎名林檎さんから、この曲をこの歌詞で今のSexyZoneにいただいたということの意味を全て受け取りたい。だからもしかしたら間違っているのだとしても考え続けていようと思います。

 

もしこれをお読みになっている愛好家の方や椎名林檎さん提供だし新曲興味あるなーと考えている方がいらっしゃれば、ぜひリリース前の今のうちに「SZ10TH」というアルバムを聴いて、セクゾ史まとめなんかさくっとお読みいただけると、歌詞にまた違った意味が加わって、今までとは違う聴き方ができると思います。「本音と建前」を聴けば聴くほど、私はセクゾが今までリリースした曲と並べた時の必然性を感じます。なぜか、と聞かれると今はまだうまく説明できないんですけど。並べた時、だから次のシングルは「本音と建前」なんだ、と納得できるというか。初期曲そのものは先に書いたようにジャニーズに馴染みない方だとちょっと難解なとこあると思うんですけど、、YouTubeでも少し聴けます。

とりあえず私はSZ10TH聴いて手持ちのコンDVD見てきますね。

 

 

 

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